
ここではシナリオをご紹介します。
ユーザーAさんは10,000 USDTの価格で1 BTCのロングポジションを注文し、その後BTC価格が20,000 USDTに上昇しました。この場合は見事に利益を上げました。さて、AさんはBTCのロングを続けたいのですが、これまで儲けたものを失うのが怖いのです。では、将来の損失を防ぎつつ、現在の利益を確定するにはどうしたらよいでしょうか。
こんな時こそトレーリング利確/損切りの出番です!
1. トレーリング利確/損切りとは
トレーリング利確/損切り注文は市場価格を追随する損切りを持つ注文です。トレーダーは市場が変動したときに、市場価格から特定の金額または割合で離れた位置にあらかじめ設定された注文を出すことができます。トレーダーが有利と考える方向に市場が動かない場合、損失を抑え、利益を確定することができます。
価格が有利な方向に動くと、トレーリング利確/損切りも同時に特定の割合またはあらかじめ設定された量だけ動きます。市場価格がトレーダーにとって有利に動く限り、取引をオープンにして常に利益を確定させることができます。トレーリング利確/損切り注文は反対方向には動きません。
つまり、トレーダーは通常の利確/損切り注文とは異なり、注文後に利益を最大化するために市場の変化に応じて頻繁に損切り価格を変更する必要がありません。
次に、ロングポジションとショートポジションに対するトレーリング利確/損切り注文の動作原理を詳しく説明します。
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価格が発動価格である10,000のポイントBに達すると、トレーリング利確/損切り注文が発動されます。この時、トレイリングストップ注文のトリガー価格 = 10,000 × (1 - 5%) = 9,500
- 価格が過去最高値である10,500まで上昇すると、トリガー価格 = 10,500 × (1-5%) = 9,975
- 価格が下落してもコールバック率5%に達しない場合、過去最高値はまだ10,500のため、トレーリング利確/損切り注文のトリガー価格は9,975で変更されません。
- 価格が過去最高値の11,000まで上昇すると、トレーリング利確/損切り注文のトリガー価格 = 11,000 × (1 - 5%) = 10,450となります。
- 価格がポイントCまで下がると、価格は10,450で、コールバック率5%に達し、トレーリング利確/損切り注文が発動し、市場価格で売却しポジションを決済します。
- 価格が発動価格である10,500のポイントBに達すると、トレーリング利確/損切り注文が発動されます。この時、トレイリングストップ注文のトリガー価格 = 10,500 × (1 + 5%) = 11,025
- 価格が過去最安値の10,000まで下落すると、トレーリング利確/損切り注文のトリガー価格 = 10,000 × (1 + 5%) = 10,500となります。
- 価格が上昇してもコールバック率5%に達しない場合、過去の最安値はまだ10,000のため、トレーリング利確/損切り注文のトリガー価格は10,500で変更されません。
- 価格が過去最安値の9,500まで下落すると、トレーリング利確/損切り注文のトリガー価格 = 9,500 × (1 + 5%) = 9,975となります。
- 価格がポイントCまで上がると、価格は9,975で、コールバック率5%に達し、トレーリング利確/損切り注文が発動し、市場価格でポジションを決済します。
2. トレーリング利確/損切り注文の活用事例
現在のポジション:1BTCロングポジション
注文価格:30,000
最新市場価格:31,000
現在の市場価格に基づき、概算未実現損益 = (31,000 - 30,000) × 1 = 1,000 USDT
最近の市場の動きから、各価格上昇のコールバック率は3%以下と仮定します。予想:コールバック率が3%以下であれば、近い将来、通常のコールバックとみなすことができ、市場は上昇を続けるでしょう。逆に、コールバック率がある値(例えば5%)を超えると、強気の勢いが終わったと解釈できます(価格はこれ以上上昇せず、急落する可能性が高い)。この場合、市場価格が急落する前にポジションを決済する必要があります。
そこで、以下のパラメータでトレーリング利確/損切り注文を設定します。
発動価格:32,000
コールバック率:5%
最新市場価格が32,000まで上昇し続ける限り、トレーリング利確/損切り注文は有効になります。相場が上昇し続け、コールバック率が5%に達すると、システムは自動的に市場価格でポジションを決済します。
現在のポジション:1 BTCショートポジション
注文価格:30,000
最新市場価格:29,000
現在の市場価格に基づき、概算未実現損益 = (30,000 - 29,000) × 1 = 1,000 USDT
最近の市場の動きから、各価格下落のコールバック率は3%以下と仮定します。予想:コールバック率が3%以下であれば、近い将来、通常のコールバックとみなすことができ、市場は下落を続けるでしょう。逆に、コールバック率がある値(例えば5%)を超えると、弱気の勢いが終わったと解釈できます(価格はこれ以上下落せず、上昇に転じる可能性が高い)。この場合、市場価格が急激に上昇する前にポジションを決済する必要があります。
そこで、以下のパラメータでトレーリング利確/損切り注文を設定します。
発動価格:28,000
コールバック率:5%
最新市場価格が28,000まで下落し続ける限り、トレーリング利確/損切り注文は有効になります。相場が下落し続け、コールバック率が5%に達すると、システムは自動的に市場価格でポジションを決済します。
3. トレーリング利確/損切りの設定方法
コールバック率は実際のトリガー価格を算出するための主要な条件となります。実際のトリガー価格は過去の最高値/最安値とコールバック率に基づいて計算されます。コールバックの範囲を設定するには、[コールバック率]または[トレーリング範囲]のいずれかを選択します。
- コールバック率:過去最高値が50,000 USDTで、コールバック率が5%であると仮定します。価格が47,500 USDT = 50,000 × (1 - 5%)まで下がるとシステムは注文を売却します。
- トレーリング範囲:過去最高値が50,000 USDT で、トレーリング範囲が5,000 USDTであると仮定します。価格が45,000 = 50,000 - 5,000まで下がるとシステムは注文を売却します。
トレーリング利確/損切り注文の数量。
発動価格(任意)
発動価格はトレーリング利確/損切り注文が発動するための前提条件です。最新価格(最新の取引価格)が発動価格以上になると、注文は発動されます。発動後、システムはトレーリング利確/損切り注文の実際のトリガー価格の計算を開始します。発動価格を指定しない場合、デフォルトは現在の価格となり、注文時に即座に発動されることになります。発動価格を現在の価格に設定することができます(マーク価格、最新価格、指数価格のいずれかを選択可能)。
4. トレーリング利確/損切りの有効化とトリガールール
- 発動価格を指定しない場合、デフォルトは現在の価格となり、注文時に即座に発動されることになります。
- マーク価格、最新価格、指数価格などを発動価格として設定できます。発動価格に到達するとトレーリング利確/損切りが発動されます。
- ショート決済:最新価格 ≥ トリガー価格
- ロング決済:最新価格 ≤ トリガー価格
- ショート決済:
- トレーリング範囲で購入:最低価格 + トレーリング範囲
- コールバック率で購入:最低価格 × (1 + コールバック率)
- ロング決済:
- トレーリング範囲で売却:最高価格 - トレーリング範囲
- コールバック率で売却:最高価格 × (1 - コールバック率)
5. 注意事項:
(2) トレーリング利確/損切り注文は当該先物が取引できないなどの理由により、トリガー失敗の場合があります。正常にトリガーされると通常の成行注文と同様に、後続の成行注文が執行されない場合があります。未約定の成行注文は注文リストに表示されます。
(3) 注文が約定された場合、既存ポジションの全部または一部が決済されます。注文が約定されなかった場合、お客様のポジションは未決済のままとなります。
(4) トレーリング利確/損切りの注文数量は先物によって異なります。注文は市場価格で実行されます。 数量制限は市場環境の変化により変化することがあります。
最適なコールバック率と発動価格を設定するのは大変な作業となる可能性があります。
トレーリング利確/損切りが有効であるためには、コールバック率は低すぎず高すぎず、発動価格は現在の価格から近すぎず遠すぎずに設定するべきです。コールバック率が低すぎる、発動価格が現在の価格に近すぎる場合、トレーリング利確/損切りは注文価格に近すぎて、通常の日々の市場の動きで簡単に発動してしまいます。意味のある値動きが起こる前に、取引がトレーダーにとって有利な方向に動く余地はありません。相場が一時的に下落し、その後回復した時点で取引を決済/撤退し、結果としてマイナス取引となります。
逆にコールバック率が高きすぎると、トレーリング利確/損切りは極端な相場変動でしか発動しないため、トレーダーは不必要に大きなリスクを背負うことになります。
理想的な最適コールバック率や発動価格は存在しません。トレーリング利確/損切りは市場の価格変動に応じて適宜見直すことを推奨します。お客様は取引がお客様のリスク許容度、投資経験、財務状況、およびお客様に関連するその他の考慮事項に合致しているかどうかを常に慎重に検討する必要があります。価格変動の幅に加え、常に利益目標と損失許容度に基づいてコールバック率と発動価格を設定してください。